メモ帳と隔離所

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天気の子 感想

 とりあえず、実にいいものを見た。こんなもの叩きつけられては否応なしに気分も良くなるってものだ。観てる途中のテンションは最高潮だったし、終わった後は気持ちよくチャリを立ち漕ぎして鼻歌混じりに帰りましたよええ。
 以下はネタバレ
 
 さて、何のことはない少年と、世界をどうこうしてしまいかねない少女と世界と社会とが織りなすような作品。最後には大抵どうしようもない別れに至るようなそれに狂わされてどれほどが経ったのか。
 前半の全能感と打って変わって、後半の展開はまさしくといったところになる。あのどうしようもなさとやるせなさ言ったら何度覚えてきたことか? 逃避行の果ての切な願いの痛々しさはどうだ? そんな知らないはずがない展開を打ち出された後の最終局面。警察署からバイクで逃げ出して、傷を追いながら有刺鉄線を飛び越えて、電車のない線路上を走り抜けて。最後に世界も周囲も自分たちのために投げ出して手を伸ばすシーン。多分ずっと求め続けていた、原風景的でありながら決定的に違う一連の映像の気持ち良さと言ったら! あのシーンをあれほどまで密に描き出してもらって、これ以上の感慨なんてあるはずがない。あるはずがないのに、まだ上乗せしてくるんだからたまったもんじゃない。帰還して寝転がってる姿と、世界がどうにかなっても案外回っている絵と、投げかけられた言葉と、最後の坂道とで感情が振り切れてしまった。        
 
   ああそうだよ、おれは世界なんかより少女を救う話を観たかったんだよ。空に帰っていってほしくなんかなかったんだよ、と。
 
 この作品が生まれたことと、今でもこんな作品が掛け値無しに楽しめることがこの上なく嬉しい。きっと10年後も好きな作品って言えるだろう。
 
 あとは蛇足的に。
 
 感想とか漁ってると大抵なんらかのものを見出してる感じがある。まあこちらもイリヤの空見出してしまってもう大変ではあったのだが。当たらない銃弾ってのがもうね。
 
 書くタイミングは失したけど曲はだいたい刺さってる。グランドエスケープのサビの歌詞とか、少年少女的な全能感の切り出しか些か上手すぎると思う。
ところで、正直なところエロゲに関しては正直周回遅れでやっているため、「セカイ系エロゲ」なんてものが実在したのかわからない、タイトル上げてるの見つからないし……keyは違うと思うし……。