メモ帳と隔離所

ゲームとかラノベとかの話をするブログ

吸血鬼に天国はない 雑感

 漠然と好みの真ん中を突いてくるもの読めないものかと日々あれこれ探しているのだけれど、当作はそういう意味で大当たり。
 マフィア同士の抗争が絶えない荒んだ街で運び屋を営むシーモアは、仕事のトラブルから吸血鬼の少女であるルーミーと同居生活をすることになってしまい……といった粗筋のライトノベル。ちょっとキザで遠回しな描写でもって描かれる運び屋の主人公と吸血鬼の少女の同棲生活に、こういうのが好きなんだよこういうのと思いつつ読み進めて。描かれるエピソードが見事に突き刺さるおかげで半ばからひどいことになった。
 特に気に入ったシーンを挙げるなら主人公の運び屋としての切欠となるキューピットの真似事とその顛末になってくる、それを踏まえた上で撒き散らされたペンキであったり。
 あとは寝ぼけてエンジンかけるシーン。ああいうのに弱い。
 扱われるテーマ自体は、中盤以降に描かれる笑い飛ばせないような吸血鬼の怪物性というか、別存在性であったり。粗筋と同様にどこか見た風で、ただそれまでのシーンを見事に重ね合わせて至る結末は膝を打ちたくもなる。読み終わって大好きと叫びたくなる。現在4巻まで出ているそうなので今後も楽しみにしつつ。
 万人受けする話ではないと思うところですが、ちょうど今kindleセールもしている様子なので、いかがでしょうか。

 

吸血鬼に天国はない (電撃文庫)

吸血鬼に天国はない (電撃文庫)

 

 

 

冥契のルペルカリア 雑感

 ウグイスカグラの新作、とはいえ過去作は水葬銀貨のイストリアしかやっていないのだが。基本的にプレイ中のストレス値が非常に高くて手出ししにくい。その分面白いシーンもあるのだが。
 とはいえイストリアやってから結構経ったし、そろそろ始めるかと手にとった今作であるが、正直勿体ない。楽しかったか楽しくなかったかで言えば結構楽しかったほう。演劇シーンはCGと演技も含めて見事であったし、日常シーン含めて会話は軽妙かつ、展開が気になるのも合わせて読ませる出来。そんな期待がやたらに膨らむシナリオの一方で終盤に不満点が固まっている。
 今回はだいぶネタバレって感じで、割と愚痴っぽくもある。

読んだもの雑感(202010~202102)

 まあいつもどおりである。だいたい去年の10月くらいからの更新が滞っていた巻に読んで、かつ年末の更新であぶれたもの。それと年明け以降に読んだものですね。
 
雨の日も神様と相撲を
 漫画版虚構推理に一話が載っていての流れで原作を買いました。うまい商売であある。
 最初はスポーツ系も描くんだな、とか思っていたところ、あれよあれよと言う間に村における特殊な神事が開示され、ついでに死体遺棄が見つかったなどとなり、あれよあれよという間に全部絡めて纏めていく手腕が見事。ラストシーンもそんなの好きに決まってるでしょうって。
 
 
さくらの雲*スカアレットの恋
 普通に発売日に買ってやっていたがこちらにまとめるタイミングを失していた。
アメイジング・グレイスに引き続きのミステリ調。ミステリというにはゴリ押しが多いとは思うが、途中のインパクトとラストシーンのキメっぷりで帳消し。所長いいよね。
 あと前作で荒く感じた箇所をプロット段階で潰してる点も結構好感度が高い。ループものにしては緊張感ないなあと思っていたところ、当作は次のループの自分に対し電報を一通送ることができるのみで、ほかは一週目と変わらない。おかげで緊張感ないのもあさもありなん、となったり。
 ループものの都合上どうしてもサブルートも未解決のままになってしまうが、それなりになんとかなりそうだなと思えるのも結構いいところではないか。次回作も期待したいですね。
 
星空鉄道とシロの旅
 なんとなくタイトルから期待していたものがそのまま出てきた作品。いい銀河鉄道の夜オマージュであり、逃避行だった。かなりしっとりめで心にしみる一方でほどよくスれてるテキストも雰囲気に合致している。
 例に漏れずこの手の作風が好みである。挫折であったり、悲劇であったりから逃げるような旅行は楽しいもので、終わってほしくなどなくて。
 ただ、読んでる側からすれば銀河鉄道の終点にあるものは予想がついて。それでも救いを求める気持ちとが混じりあって上手いこと振り回された。
 いや、良作の短編ノベルを堪能しました。ただ立ち絵関連が若干重く、テキスト送りがちょこちょこ止まるのが結構致命的。環境のせいかもしれないが、あんまりそういう挙動じゃない気もする。
 これの影響でこれまで触れていなかった金色ラブリッチェを始めている。
 
ハミダシクリエイティブ
 絶妙に楽しみきれなかったポジションのゲーム。各種テーマが笑い飛ばせるほどには離れておらず、完全に移入できるほど重ならなかったのがどうにも。
 言い回しとかは非常に好みだったので最後まで駆け抜けてしまったのだが、各ラストシーンに対してそういかないんじゃないかなあと思ってしまう程度に世間を信用できていないなあと。完全に読んでるこちらが悪いのではあるが。
 出来自体は非常に良かったと感じるので次回作も買うだろう。キャラ同士のやりとりはオーバーリアクション気味ながらも軽妙で、読んでいて楽しかったのだ。それ故に雰囲気に乗り切れなかったのが残念でならない。
 ところでこのライター他に関わってる作品がないって本当ですかね。
 
 それ以外だと境界線上のホライゾンを読み始めたりしており、現在6巻下に入ったところ。このペースだと3月末あたりまでかかりそうではある。
 月末にウグイスカグラの新作が来たりとか、シェルノサージュを途中で放置しちゃっているから3月頭にSwitchで出るやつで再挑戦したいなとか。あと星空鉄道のとこで書いたとおり金色ラブリッチェやってくよとかが今後の予定となりましょうか。

2020まとめ

 ブログはご無沙汰でした。

 というわけで今年のまとめです。挙げてる作品は突き刺さったシーンがあるものとか全体の出来がよかったもの、その両方みたいな具合。

 今年は大当たりが多く、その上途中で記事作ったりもしていなかったので、結果こちらにまとめるタイトルも膨れてしまった。

 タイトルとしては以下の感じ。並びに特に意味もない。発売が近い順にしようとしたが漫画と小説はその辺り考えていたら面倒になったので諦めた。

 ここからはそれぞれについての簡単な感想とかそういうの。

 白昼夢の青写真

 何度でも言うけどこういうの大好きなんだ。

 かつて作家を目指した非常勤講師と大作家の娘の物語は心の根深い所を貫き、女優という言葉を世に生み落とさんとする野心家と稀代の劇作家の物語には高揚し、カメラマンの夢を追う少年と彼に惹かれた女性の一夏の冒険は読んでいて晴れやかになるようで。

 そんなわけでころっと物語に引きずりこまれてしまって、笑顔にさせられたり息が詰まったりガッツポーズしたりしていた。個々のやりとりがいちいち好みである上に、物語ることをああも肯定して、その果ての光景としてのあのラストシーン。
 物語が彼女を繋いで、物語ることで彼らへの報奨があるのなら、これほどまでに美しいことはないだろうよ、と。今後もずっと大好きな物語としてしまいこんでおきたくなりもする。

 

 神隠し しょぅじょ贄

 個別記事あり。プレイヤーとしての感情をだいぶ見事にのせられたゲームである。中盤までのなんでこんなことをしているんだって感覚があるがゆえに最終盤のたたり様とのシンクロ率よ。よく言っている救われたのだから救おうとする構図もバッチリでテンションも上がり通しのままクリアまで駆け抜けることができて気分よかったものだ。

 ところで続編って何をどうするんですかね……。楽しみ怖い。シナリオはまず間違いなく面白いだろうがあれからどう続きを振ってくのかって感じで怖さ。

 

 9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと

 シリーズ最終作。このシリーズ、一作目は結構不完全燃焼的なところが強いのだが、二作目以降は全体的に出来が良いのでおすすめしたい。最終作もノリの良いテキストとキャラに支えられてまとめきってくれました。あとは毎度思うけれどかずきふみのエロシーンは天才。くすりとさせられる描写を交えつつキャラ間の関係性を深める一連の流れとして本当にうまいことやってくれるよなあと。単純に笑かしにくる時はそれはそれで楽しいよね。

 

 MECHANICA――うさぎと水星のバラッド――

 サイバーパンク世界で日常もの。世界はくそったれだけど人は優しくて、日常を過ごしながら世界を救ってしまおう! といったノリのゲーム。

 そしてその日常のエピソードが実にこう、ぐっとくる。言葉選びとか会話の雰囲気とかそういうのがじわりじわりと沁みるような。特に気に入ったのはラブグッドと酔っぱらいのおっさん、少年もよかったなあ。

 

 WHITE ALBUM2 (EXTENDED EDITION)

 個別記事あり。クリアはしていないのでそろそろリトライする必要がありますがそれはそれ。雪菜クリアしてすぐにかずさルート行くのが無理だったよ。

 シナリオの出来は凄まじく、心情とタイミングからくる行動の絡み合いの果てにどうしようもない方向に進み続ける。こんなのどうしてこんなことになっちゃうんだろうって言いたくもなる。ただ辛いかというとそうではなく、面白いのだから始末に負えない。

 やってほぼ一年経ったうえでの印象的なシーンとかだと電話越しにギター弾くあたりとか。電話越しのやり取りというとイリヤの空とかのせいだろうか。全然方向性違う場面だけれど。

 

 フェイクアズール・アーコロジー

 出来がずば抜けているというわけでもないのだが、王道を突き進んでいくシナリオに折を見て突き刺さる感じのテキストや展開を投げ込んでくれるようなゲームでした。どこか安心して進められるというか。

 やはり森崎亮人のテキストが好みだなあと思うところ。

 

 十三機兵防衛圏

 個別記事あり。今年はコンシューマをほとんど触ることがなかったのでこれくらいでした。

 思い返してもよくこれだけの要素を詰め込んでまとめあげたものだと。その手腕にに感服するばかり。

  

 葬送のフリーレン

 個別記事あり。こういうジャンルって何て言えばいいんですかね。アフターストーリー系というか。元から本編終了後のアフターの出来が良いと嬉しさが跳ねるタイプであるので、否応なくこちらも楽しんでしまうといったところ。しかし単純なアフターというには時間の進むペースが凄まじい。一巻時点では最初だからねとか思ってはいたがそれ以降も特に作中時間の進みが変化する気配はないので、行き着く先はどうなることやらと思っている。

 

 スロウスタート

 ちょっと前のセールで買ってそのまま既刊全部買ったもの。

 全体としては優しさに大部分を振っている青春作品といったところ。優しさというのも色々で、周囲との触れ合いであったり、やってきたことの受容であったり。

 それらは実に綺麗で、沁みるようにも感じられて。ただ、周囲の優しさが後ろめたさをもたらさないわけがないの事実で。それは秘密を抱えていることとか自己評価の低さとかそういうものの、組み合わせが実に絶妙であり、末永く続いてほしいものであると思う。

 

 チェンソーマン

 多くは言わない。続きをください。

 

 虚構推理

 アニメから入って小説と漫画も読んだ口。ミステリというよりかは伝奇として楽しんでいる。

 人ならざるものの物語としても「スリーピング・マーダー」でうまいことやるなあと思った後に、「雪女のジレンマ」でほんわかさせられたりと。

 

 夜行

 個別記事あり。森見登美彦の阿呆要素なしの小説。

 各編のついページを戻したくもなるようなオチから漂う薄ら寒さで一気に読み進めさせ、終盤の描写へと引きずり込み、といった構成が実に鮮やか。

 

 

 スプートニクの恋人

 中盤のやるせない青春風景から幻想小説へとかっ飛んでいく節が見事。他についいては「孤独」とか「他者」みたいなキーワードが好きであるという他ない。

 

 書いていて、作品触れた当時にメモとか残していたものは文章量がそれなりになるがそうでないものは当たり障りない言い方になってしまうな……という言い訳めいたものを。

 今年は時勢なんかもあり、かえってゲーム類はこなせる本数増えた印象。来年もまた色々こなしていきたいなあと。他には意識していなかった好みをまた見出したりもしたのでそちらについても触れていきたいなと思うところ。

 

 

送葬のフリーレン 雑感

 世界を救った勇者一行、彼らも老い、世を去るほどの年月が経過した頃。その中の唯一の長命種であるフリーレンが旅する中でかつての仲間の痕跡探しをする……といったあらすじ。
 はなからかつての仲間との死別で始まり、その仲間の願いに応えて、というよりしてやられて、弟子をとっての二人旅。
 その冒頭からしてしてやられたようなものではあるけれど、そこから始まる旅の中でかつての日々を想起したり、じりじりとした価値観の変化を描かれたり。まあそりゃ好みってもんですよ。
 冒頭で勢い付きすぎてどう続くかなと思ったものだけれど、フリーレンとフェルンのやりとりもまた心地がよく、読み進める誘引剤になっている。出会うところから始まるけれど、フリーレンの基準で作中時間が進んで行くため、一巻にして付き合いの長いしっかり者の弟子とだらしない師匠みたいな組み合わせも拝める。そのくせフリーレンは他者への興味が薄いのでなかなか絶妙な味わい。
 相手のことを何も知らないことに申し訳なさを覚えることと、それでも知ろうとしてくれたことを嬉しく思うことと……といった構図はやはりいいものだなあ、と。
 何はともあれ大変楽しみましたし、おすすめの漫画。次巻以降も期待していきたい。

アメイジング・グレイス 雑感

 記憶喪失の主人公が目が覚ました町はオーロラなる巨大な壁に覆われており、外の世界は101年前に滅んでいたという。そこで暮らす人々は芸術に特化した教育を受けていて……といった導入の物語。
 ある集落の風習を追うような物語が好きなため、近いところがあるこれは盆休み突っ込んで楽しませていただきました。
 全体としては良かった点も多いがゆえに欠点も目立つ作品といえるところでもある。
 以下はネタバレも含む箇所。いつもよりも直接的。

ここしばらくの読んだものとか

ちょっとご無沙汰気味だったか。
 
まくむすび
 3巻と4巻を読んでいなかったのでまとめて。高校演劇テーマの青春であり、創作への向き合い方の物語。
 4巻のワークショップ編は非常にお気に入り。というかギブさんがお気に入り。書く側のしんどさと、上手くいかなさと、自己評価の低さと自尊心と、それでもなんとかって願いとがぐっちゃぐっちゃになってるのがこう、実によい。3巻で出てきた斑目さん然り、これからも多様な創作へのスタンスをみせてほしいなと思うところ。

 

まくむすび 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

 
PG14
 ゲームブック的選択肢が見える主人公とほっとくと周囲の人間に不幸を呼び寄せるヒロインのボーイミーツガール。
 展開自体はありがちといえばありがちなのだが、全体的に大仰な言い回しとゲームブック的文章の噛み合わせが大変よく、かなり楽しく読んでいた。もうちょっと読みたかったというのが正直なところではあるが。るい智のときに強く思ったものだが、かなり好みのライターである、
 

 

PG14(桜ノ杜ぶんこ)

PG14(桜ノ杜ぶんこ)

 

 

 
メイキュー!
 
 やっぱり森崎亮人の作品好きだよとなってしまったが故に大変悲しくなってしまった。明確に作品読み出したのが去年からじゃなければ…。
 現実世界に出現したウィザードリィ的ダンジョンを攻略する学園青春ものとでも言えばよいか。灰と隣り合わせではなくて、あくまでもゲーム的に迷宮を攻略していくような形。ボスをどうやって対処しようとか、パーティメンバーのステータスとかに合わせてどんな風に装備割り振っていこうかとか会話はこの手の作品の醍醐味というところ。ただそれでも1巻の6割くらいまではありがちなように続いて退屈に感じないでもなかったのも事実である。
 そんな感覚を吹き飛ばすほどに、終盤に差し掛かる際の他者との関わり方とかの乗っけ方が好みだった。
 それぞれの感覚の相違であったり、感覚の相違だったり、他者を信じることをどう言葉にするのかであったり。あとは利害の一致とか打算とかどんな風にありたいのかとかそういうの。    
 その一つ一つが好みで好みで仕方がなかった。もう個人的に青春ものでおさえてほしいところばかりなもので、一気に惹かれてしまったものである。
 2巻でもその辺りの描写は際立っていたもので。ゲームベースの話としても盛り上がり始めてはいたのだけれど。だけれど……。
 まあ、うん。
 何はともあれ、好みの青春ものであり、好みのキャラクター間の関係のあり方の物語で、やっぱり好きな文読ませてくれるなあとなりました。次に何か出るのを楽しみにしていましょう。
 
 しかしこのところちゃんと読み切っているものが減っていていけない。