商品ページ見たときにこんなことになるなんて思ってなかった。
祟り神として願われたがゆえに好き勝手に村で神隠しを起こしていくみたいな同人エロゲー。
割とネタバレ話。
続きを読むだいたい1月のまとめ。感想にすらなってないのもある。
りゅうおうのおしごと 5巻~11巻
多分5巻読んだのは二年半くらい前? 結構溜め込んだもんである。なんでこんなにほっといたんだろう。
面白さは相変わらず。勝負どころのハチャメチャな熱さ。キャラを生かした泣かせどころ。巧妙なプロローグとエピローグにそれがもたらす心地の良い読後感。
まあそうなるだろうなって思ったけれど、やっぱり一気に読んでしまった。そして色々言いたいことはあったはずだが、11巻の展開に全部かっさらわれてしまった。
手を放していても、二人はずっと同じ道を歩いていたんだと……今はそう思えるから。
これに尽きるな、と。
いつも以上にとっちらかった文になりそうですが。それこそ雑感ということで一つ。
というのも、読み終えてもまだどんな感覚で読むべきだったのかが掴めていない当作。面白かったのかそうでなかったのかもどうにも判然としない。好みかそうでないかはギリギリ好み寄りだけれど。それほど楽しめなかった部分もそれなりにある。一部の台詞回しとか。
なんというかこう、全体的にふわふわしている。そうとしか言いようかがない。文体もキャラも展開も設定もふわふわしている。ここに絡め取られて最後まで読み切ってしまったところが少なからずある。癖になる人はかなり癖になるんじゃなかろうか。というかなった。気がついたら日付と場面が変わってたりとか結構ざら。割と後出しみたいな展開もあったりしたけれど、読み終わってみたらまあ別に良かったかなと。文にまとめてみると存外にこのラノベを楽しんでいたらしい。
たまにこういうもの読めるからやっぱりやめられんよなあと。
とんでもないものが去年出ていたもんだと驚くとともに、見逃していたことがもったいなかったな、と。
13人の主人公の視点で語られるADVパートの「追想編」と、機兵を操作して世界の危機に立ち向かうSLGパートの「崩壊編」を交互に進行する、といった体のゲーム。
とかくシナリオの出来に驚かされ続けた。ジャンルとしてはSFジュブナイル。仕込んでいるものがあまりにも多く、何度してやられたと言ったことか。ばら撒かれた伏線を拾い上げ、別視点の物語が一つに収斂していく気持ちよさといったらない。複数視点型ADVの楽しさを余すこと無く、といった具合。いや本当にあらゆる要素を活用してくるので本当に見事。これぞゲームで物語を紡ぐってことなんだって言いたくもなる。
次にキャラの見せ方だけれど、こちらも非常に見事。ADVパートの文章量は非常に多いわけではないが、細かなモーションやら、各種フレーバーテキストやらから拾える情報が大変に多く、大変に夢想の余地がある。ちょっと意図して描く量絞ってる感じ。
あとはなんというか、遊んでいて退屈な時間がほぼなかったっていうのも割ととんでもないところかなと。小銭拾いはちょっと面倒だったなくらい。フラグの立て方わからないのはまあゲームジャンル的には仕方ないか。むしろ数えるほどしかそういうことなかったのかなと。
戦闘は戦略SLG的。STRONGで進めていたが、ラスト付近のマップはリトライさせられたりもするくらいの難易度。シナリオと相まって、程よくギリギリ感味わえて楽しかった。合間合間の会話もグイグイ進めるモチベーションになる。強制クールダウンで強行突破するゲームみたいなところもあるが、まあ限界超えて動き続けるみたいなやつは格好いいから良し。
キャラは正直みんな好きだけれど、特にってなると鞍部と薬師寺かな。こういう始まりからこんな結末になるの好きだよね。うん。いや好きなポイント自体はいくらでもあるのだが、書きすぎるわけにもいかないので。
どうでもいい話を置いておくなら、プレイ中に「最果てのイマ」を想起してたけどだいぶ別物でした。多少構造かぶってはいるけれど。
極力ネタバレを避けるとこんな記事にしかならないな……。何はともあれ全体的な完成度が高い名作でした。今年は幸先がいいな。