メモ帳と隔離所

ゲームとかラノベとかの話をするブログ

BEATLESS 雑感

 一気に駆け抜けてしまった。ちょろい。
 
 ロボットの性能が人間を上回ったから数十年。人がやる必要があること。人がやるべきであることが次第に少なくなっている世界で繰り広げられる、人間とロボットのボーイミーツガール。
 正直軸になっているものは結構あって、一発読みではまとめきれてないところがある。思いとか心がないってことに対する問いかけであったり、あるいはロボットの側が人間を操作するようになるって危惧であったり。ちょっとこの辺は改めてまとめたいから再読予定ではある。
 とかく気に入ったのは主人公であるアラトの在り方と、彼に対する周囲の認識の描かれ方であったと思う。特別な力なんてない。むしろ考え足らずだし、作中でも散々言われてるくらいにちょろい。しかし、わかりあえると信じて、何にだって手を伸ばして、どうしようもないほど青臭くて輝かしい主人公が大変よかった。周囲の人間がそれでこそって肯定してくれたりとか、未来の形かもしれないなんて言ってくれるのが重ねて良いな、と。
 でもってエピローグ。これしかないってラストではないか。いやもうそうとしか。こうじゃなきゃいけないのだ。

 彼は信じて、彼女は信頼した。”かたち”しかないからこそ、この結末があったのだ。


 ……ところでレイシアの「”かたち”が意味を揺さぶる感覚が、わたしにとっての、アラトさんとの繋がりなのですから」ってセリフ、ちょっといじらしすぎませんか?