メモ帳と隔離所

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アメイジング・グレイス 雑感

 記憶喪失の主人公が目が覚ました町はオーロラなる巨大な壁に覆われており、外の世界は101年前に滅んでいたという。そこで暮らす人々は芸術に特化した教育を受けていて……といった導入の物語。
 ある集落の風習を追うような物語が好きなため、近いところがあるこれは盆休み突っ込んで楽しませていただきました。
 全体としては良かった点も多いがゆえに欠点も目立つ作品といえるところでもある。
 以下はネタバレも含む箇所。いつもよりも直接的。

 

 やたらと湧いてくる疑問点にわくわくさせられながら物語は進み続け、辿り着く最終ルートのたたみかけについては正直なところしてやられたという他ない。
 ただ正直なところゴリ押しな箇所が多かったり、演出がちょっと噛み合っていないところもあるため、手放しで褒めきることは難しい。早い話が林檎周りの設定で、ちょっとご都合がすぎるように感じてしまった。発生条件やデメリットが最後まで曖昧なままで、町の設定の出来がよいだけになおのこと粗が目立つ。緊張感の薄さは作風であると思うし、日常パートがあまり楽しめなかったのは好みの範疇といえるが、こればっかりは。
 キャラに関して言えばサクヤが強い。あそこまで周到に用意されてたらわかっててもやられる。
 冒頭の通り、風習などを追う話は大好きであるため、町に関わる種明かしは非常に楽しめたところ。評価の理由も大体このあたり。落書きについては普通にしてやられた格好であり、町の誕生経緯についてはめちゃくちゃ楽しく笑ってしまった。その他細かなネタに至るまでの伏線の織り交ぜ方も非常に周到。
 そんなわけで楽しんだゲームでした。むしろそのせいでちょっと目についたところ多いとも言えるけれど。
 次回作が9月末に出るとのことなので楽しみにしておく。