なんだかんだでもうすぐ年が終わってしまう。1年早かったですね……。
これは来年以降も続けていければいいなと思いつつ。いつ飽きるともしれんなとも。
・超動く家にて
SFとかミステリとかのジャンル雑多、少々コメディチックなもの多めな短編集。世にも奇妙な物語で映像化があったらしく、話題になっていた際に読んでなかったことを思い出した次第。
宮内悠介の文章からはよくわからんエネルギーが出ており、何故か感情が昂ぶってしまう意味不明さがある。「トランジスタ技術の圧縮」もそんな感じ。書かれている内容は笑かしに来ているというのに。なんというか。仮想のもの、存在しないものをさもあるかのように振る舞う手つきはやっぱり凄まじいなあと思うところ。
各短編それぞれ面白かったのだが、「アニマとエーファ」はこのような書き残すことへの意義のようなものはやはり胸が熱くなるところがあった。タイムリーでもあったし。表題の「超動く家にて」は大いに笑ってしまったものであるし。やはり良い小説読みたい時に手に取る作家だと思えたところ。
・銀の匙
黄泉のツガイ読んだらこっちも読みたくなったので。受験戦争で心が折れた主人公が寮生活を理由に農業高校に入学する……という青春もの。
主人公のハチケン、序盤割と内心がダメダメだけどやってることはすげー頑張ってるよなっていうのと周囲がいいやつなのとで、気分よく読める。ただその一方でどうしようもないような現実もあったりで。それでもと奔走するあたりに、関連性ないことはわかっていても世界は君が思うよりちょっとだけ優しいって台詞がよぎっていった。
他人のためなら動けるを徹底していった結果、それを起点にして和解できたりするのはいいなっと。
ただ終盤はハチケンの覚束ない部分がなくなってきたからか、消化試合気味だったかもしれない。とはいえ全体通して楽しい漫画だった。
・スキップとローファー (1~9巻)
最序盤はうわー心の微妙なとこ掻きむしってくるーって印象で、それからだんだん周囲の優しさで回ってく話に綺麗なものを見せつけてきて……という流れがあった上での「世界ってもっとグロテスクでは?」が決まり過ぎていた。あの辺りは読んでてひどく動揺してしまったもので、作品世界を凝縮した言葉をぽいと置かれると目が覚めたようになるな。一つの区切りを迎えた上で、どんな風にこれからが描かれるのかってのが楽しみで仕方ない。
細かいシーンでに好きなところだと、本人にできない話するなって言って止めるモブ男子とかいいよな……って思ってた迎井がサブレギュラーになったところと、ちょこちょこ語られる彼のあれそれ。
・正反対な君と僕 (5巻)
青春群像系のラブコメ読みすぎだろう。好きだからしゃあなしではあるけど。
スキップとローファーの既刊読んだ後に新刊読んだの格好だったので、結構相互の性格の違いがわかりやすくて楽しかったところもある。こっちはかなり優しさの割り振り強いなと改めて思うところであり、そこがいい味出してるよなあと。
優しさとか甘酸っぱさと、加えて巡り合わせが上手く傾いた結果綺麗な世界が回っていく……というのはやはり読んでいて嬉しくなる。
・エクソシストを堕とせない (1~5巻)
結構前に1巻冒頭だけ読んだ格好だったのだが、読み進めるにつれてお前こういう話だったのか……となっていった。バトルとラブコメと設定散らしが楽しいという上で、メガテン二次創作系とかに近い読み味があり、根っこにあるものが刺激される感覚がある。
これからもどうしてくれるんだろうなこの世界という気持ちはあるが、中途半端なところで終わった際に3ヶ月待つのが大変そうなのである程度巻が溜まったらまとめて読むみたいな形にはなりそう。
・衛くんと愛が重たい少女たち
3巻完結だが部妙に拾い切れていないところがあり、ちょっと打ち切り感覚がある。楽しさとこれはどうなんだ……がないまぜになる感じの読後感。
1巻導入はタイトル通りのねっとりした気持ち悪さ全開で初速の盛り上がりが凄まじかったのだが、中盤からちょっと行き過ぎている感覚になったかなあと。それとは別に言動の割に凄まじい勢いで語るに落ちるメインヒロインが可愛かったみたいなラブコメだったかなあと。
サブヒロインは加えてくる危害が強すぎてヒロインというか乗り越える敵みたいになってしまっているのでそのあたりも読み味への影響でかかったというか、重さを楽しむとはちょっと異なっていた感触。とはいえコメディ部分は結構楽しかったりしたので、全体通しては癖の強めなラブコメだったのかなと。主人公が歪んだ感情向けられすぎなのはとかは楽しかったし。
打ち切りはどうしようもないとはいえ、どうしようもない環境とそのせいで歪んだメンタルにある程度整理をつけて前に進んでいく話とするのなら、幼馴染にはちゃんとケリを付けてほしかった、くらいだろうか。
・安達としまむら (99.9・SS)
一段落した後はもう何書いてもいいかという割り切りが気持ち良いシリーズ。
世界のルールのどっかにあだしまがくっつくって書いてあるのすごいよな……、に尽きる。本当に好き放題している。あとしまむらさん大概安達のこと大好きですねって描写がいっぱいあったのも完結後の物語としては読みたいものって感じだった。
流石に終わってしまうのかな。よくわかんないけど続き書いてくれると嬉しくなるかもしれない。
・少女事案~炎上して敏感になる京野月子と死の未来を猫として回避する雪見文香~
インパクトのある冒頭から急に真面目になるのノリがエロゲーすぎんか。西条陽もしかしてラノベのことをエロゲと大体同じと思っておられる?
終わってるシーンに至った理由を正当化してくるの面白いからやめてほしいし、アホ! と叫んだ次のシーンで急に落ち着くな! となる。通報される流れでちゃんと通報されて大笑いした。
やっぱり今一番エロゲシナリオみたいラノベ作家かもしれない。