メモ帳と隔離所

ゲームとかラノベとかの話をするブログ

2020まとめ

 ブログはご無沙汰でした。

 というわけで今年のまとめです。挙げてる作品は突き刺さったシーンがあるものとか全体の出来がよかったもの、その両方みたいな具合。

 今年は大当たりが多く、その上途中で記事作ったりもしていなかったので、結果こちらにまとめるタイトルも膨れてしまった。

 タイトルとしては以下の感じ。並びに特に意味もない。発売が近い順にしようとしたが漫画と小説はその辺り考えていたら面倒になったので諦めた。

 ここからはそれぞれについての簡単な感想とかそういうの。

 白昼夢の青写真

 何度でも言うけどこういうの大好きなんだ。

 かつて作家を目指した非常勤講師と大作家の娘の物語は心の根深い所を貫き、女優という言葉を世に生み落とさんとする野心家と稀代の劇作家の物語には高揚し、カメラマンの夢を追う少年と彼に惹かれた女性の一夏の冒険は読んでいて晴れやかになるようで。

 そんなわけでころっと物語に引きずりこまれてしまって、笑顔にさせられたり息が詰まったりガッツポーズしたりしていた。個々のやりとりがいちいち好みである上に、物語ることをああも肯定して、その果ての光景としてのあのラストシーン。
 物語が彼女を繋いで、物語ることで彼らへの報奨があるのなら、これほどまでに美しいことはないだろうよ、と。今後もずっと大好きな物語としてしまいこんでおきたくなりもする。

 

 神隠し しょぅじょ贄

 個別記事あり。プレイヤーとしての感情をだいぶ見事にのせられたゲームである。中盤までのなんでこんなことをしているんだって感覚があるがゆえに最終盤のたたり様とのシンクロ率よ。よく言っている救われたのだから救おうとする構図もバッチリでテンションも上がり通しのままクリアまで駆け抜けることができて気分よかったものだ。

 ところで続編って何をどうするんですかね……。楽しみ怖い。シナリオはまず間違いなく面白いだろうがあれからどう続きを振ってくのかって感じで怖さ。

 

 9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと

 シリーズ最終作。このシリーズ、一作目は結構不完全燃焼的なところが強いのだが、二作目以降は全体的に出来が良いのでおすすめしたい。最終作もノリの良いテキストとキャラに支えられてまとめきってくれました。あとは毎度思うけれどかずきふみのエロシーンは天才。くすりとさせられる描写を交えつつキャラ間の関係性を深める一連の流れとして本当にうまいことやってくれるよなあと。単純に笑かしにくる時はそれはそれで楽しいよね。

 

 MECHANICA――うさぎと水星のバラッド――

 サイバーパンク世界で日常もの。世界はくそったれだけど人は優しくて、日常を過ごしながら世界を救ってしまおう! といったノリのゲーム。

 そしてその日常のエピソードが実にこう、ぐっとくる。言葉選びとか会話の雰囲気とかそういうのがじわりじわりと沁みるような。特に気に入ったのはラブグッドと酔っぱらいのおっさん、少年もよかったなあ。

 

 WHITE ALBUM2 (EXTENDED EDITION)

 個別記事あり。クリアはしていないのでそろそろリトライする必要がありますがそれはそれ。雪菜クリアしてすぐにかずさルート行くのが無理だったよ。

 シナリオの出来は凄まじく、心情とタイミングからくる行動の絡み合いの果てにどうしようもない方向に進み続ける。こんなのどうしてこんなことになっちゃうんだろうって言いたくもなる。ただ辛いかというとそうではなく、面白いのだから始末に負えない。

 やってほぼ一年経ったうえでの印象的なシーンとかだと電話越しにギター弾くあたりとか。電話越しのやり取りというとイリヤの空とかのせいだろうか。全然方向性違う場面だけれど。

 

 フェイクアズール・アーコロジー

 出来がずば抜けているというわけでもないのだが、王道を突き進んでいくシナリオに折を見て突き刺さる感じのテキストや展開を投げ込んでくれるようなゲームでした。どこか安心して進められるというか。

 やはり森崎亮人のテキストが好みだなあと思うところ。

 

 十三機兵防衛圏

 個別記事あり。今年はコンシューマをほとんど触ることがなかったのでこれくらいでした。

 思い返してもよくこれだけの要素を詰め込んでまとめあげたものだと。その手腕にに感服するばかり。

  

 葬送のフリーレン

 個別記事あり。こういうジャンルって何て言えばいいんですかね。アフターストーリー系というか。元から本編終了後のアフターの出来が良いと嬉しさが跳ねるタイプであるので、否応なくこちらも楽しんでしまうといったところ。しかし単純なアフターというには時間の進むペースが凄まじい。一巻時点では最初だからねとか思ってはいたがそれ以降も特に作中時間の進みが変化する気配はないので、行き着く先はどうなることやらと思っている。

 

 スロウスタート

 ちょっと前のセールで買ってそのまま既刊全部買ったもの。

 全体としては優しさに大部分を振っている青春作品といったところ。優しさというのも色々で、周囲との触れ合いであったり、やってきたことの受容であったり。

 それらは実に綺麗で、沁みるようにも感じられて。ただ、周囲の優しさが後ろめたさをもたらさないわけがないの事実で。それは秘密を抱えていることとか自己評価の低さとかそういうものの、組み合わせが実に絶妙であり、末永く続いてほしいものであると思う。

 

 チェンソーマン

 多くは言わない。続きをください。

 

 虚構推理

 アニメから入って小説と漫画も読んだ口。ミステリというよりかは伝奇として楽しんでいる。

 人ならざるものの物語としても「スリーピング・マーダー」でうまいことやるなあと思った後に、「雪女のジレンマ」でほんわかさせられたりと。

 

 夜行

 個別記事あり。森見登美彦の阿呆要素なしの小説。

 各編のついページを戻したくもなるようなオチから漂う薄ら寒さで一気に読み進めさせ、終盤の描写へと引きずり込み、といった構成が実に鮮やか。

 

 

 スプートニクの恋人

 中盤のやるせない青春風景から幻想小説へとかっ飛んでいく節が見事。他についいては「孤独」とか「他者」みたいなキーワードが好きであるという他ない。

 

 書いていて、作品触れた当時にメモとか残していたものは文章量がそれなりになるがそうでないものは当たり障りない言い方になってしまうな……という言い訳めいたものを。

 今年は時勢なんかもあり、かえってゲーム類はこなせる本数増えた印象。来年もまた色々こなしていきたいなあと。他には意識していなかった好みをまた見出したりもしたのでそちらについても触れていきたいなと思うところ。