メモ帳と隔離所

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終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 1~11巻 雑感

 色々あって人間やらが全滅して、突如発生した「獣」に地上を追われた種族たちが浮遊する島郡の上で暮らす世界で、身を削りながら獣をどうにかしている妖精たちと、そこに関わる人達の話の第二部。
 作品の性質の悪さは織り込み済みで、それとして一部のラストからどんな結末に至ってのけるのかと気にはなっていて、しかし中途半端なところで止まると悶々として些か健康を害しかろう……などと思っていたら完結していたので、読んだ次第。
 一部から世界が広がりつつ、どうするんだよこれと叫びたくなるほどに状況は悪化していくところとか、覚悟決まりきってる奴や覚悟決まったと自分に言い聞かせているような子らが出来得る限りを尽くしてしまうところは変わらずに。
 その上で、彼らの行いの後に世界がどう動いたのか。
 残った人々にどんな想いをもたらして、更に何をなしていくのか。
 なんてところをじっくりと描かれていたことがとっても嬉しくて、終わったはずの物語の蛇足としてこれほどすっとするものもなかった。読み切った今や感無量で、よくぞここまでたどり着いてくれたものだよと。
 腹立たしく思える変えたい物事があって、どうにかしようと駆け抜けた奴がいて、それを継いで個人に、ひいては世界へと少なからず影響を与えていく。世界は緩やかに今の形を失っていくことに変わりはないけれど、その過程は変化させていくことができるはずで、その変化はこれからもずっと起こし続けていける……。きっと物語が終わったあとも、彼ら彼女らの行いの連鎖は続くのだろうと思えることがとても嬉しかったなと。
 言い回しやら世界観やらに癖はあるところと思うが、気にいる人はとても気に入るであろう作品。いつかまたきっと読み返すんだろうなと。