商品ページ見たときにこんなことになるなんて思ってなかった。
祟り神として願われたがゆえに好き勝手に村で神隠しを起こしていくみたいな同人エロゲー。
割とネタバレ話。
一周目はそれはもう気ままな祟り神ムーブを楽しむゲームといった風で、村をうろつく子らをそのまま攫うわ呼び出して攫うわを繰り返すのが実に昏い楽しみって感じ。シーン自体はリョナ色が結構強いので趣味ではなかったが。
話が変わってくるのが二週目から。それまで出てきていなかったキャラクターと、違った様相をみせる展開がゲームを進める原動力に置き換わり始める。単純に隠す以外のイベントを見ようとして奔走することになるのだが、見ることになるイベントはキャラ同士の横のつながりを掘り下げるものが多く、気付けばゲームの目的がキャラクター同士の思惑の絡み合いを明らかにすることに変わっていく。おれはなぜこんな子らを神隠ししてんだとなる程度に。正直このあたりのプレイヤー心理の操作はだいぶ上手くやられたと思うところ。あまりこの手のゲームやらないのもあって新鮮だったのかもしれないが。
基本的に貶めることしかできないことに鬱屈を溜め込みながら物語を進め、試行錯誤の果てに辿り着いた表ルートの最終戦はいっそ晴れやかな負けイベントであったものである。
そのまま、それまでなんとなく匂わせていたものを一気に提示して飛び込むこのになる最終ルート。これが実に良いもので。
皆が過去に救われたのだから救おうとして動き、誰かの願いによって立ち上がり……といった好みがすぎるものを、それまで積み上げてきた伏線とかをセットで叩きつけてくるのだから、これで高揚しないものなら嘘である。
悪意から始まり続いてきたものを善意に依るもので終わらせ、そのまま至るエピローグはとにかく大満足の出来といったところ。ここまでで付けられたキャラへの愛着も相まって実に爽やか。正直ここはみんな好きなのだけれど、特に姫にもってかれましたよ。幽霊もの大好きであるので。それまでの急展開でこっちに意識がいっていなかったせいもあって。
最後にどうでもいい話。タイトルの贄って2をもじてったのかと思ってたんですが、特にシリーズってわけではなさそうだったという勘違いをしていたという。
あとはまあ、裏の狐は大正解なアクションしたものだなあ、と。