メモ帳と隔離所

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ef - a fairy tale of the two. 雑感

 

 アニメ版を観たのは高校の頃で、大好きな作品ではあって。原作には今更になって手を出したのかよと言われても仕方ない。随分と放置した宿題だった。

 正直なところ、ストーリーはアニメを複数回観ていたものだがら本当にテキストを当たる程度の気持ちだったのだが、思いの他に違いが多かったことに加え、思い出補正が非常に上手く作用して、全キャラクラーが大好きな状態で新鮮な気持ちで楽しむことができ、正直最高であった。

 正直アニメ化にあたってだいぶエピソードの整理や調整、映像映えするシーンへの変更など行っていた様子で、原作と相互補完的になっているとも言えるだろう。

 実際の内容に触れていくと、やはり最初に目に付くのは演出だろう。アニメも独特の演出を多用していたが、こちらも相当。単純に一枚絵の枚数が多かったり、立ち絵のみならず一枚絵に瞬きと口パクを入れたり、立ち絵も状況によって光の当たり方が変わっていたり、背景の中にキャラを小さく書き入れてシーンを示したりとまあ挙げていけばキリがない。それでいて演出が全体的に軽く、読みすすめるの邪魔にもならない辺りも含めて、十年以上前の作品であるのに今見ても遜色ない。

 先に触れたアニメとゲームの違いとしてわかりやすいのは、アニメ版は1章から3章が同時進行だが、原作は1章の半年後に2章と3章が入ってくる点だろう。その関係で1章の紘、みやこ、景の三角関係に京介が絡んでこないため各種エピソードが変わり、2章は、1章で紘とみやこの話に一段落ついた上で始まるため、展開が大部異なってくる。正直1章、2章について、一作品としてみるならアニメのほうがと思うが、既に観た上で触れる側としては、知らない一面が見れたために楽しかった。京介が割と勉強できたり、みやこが割と大食いだったり、紘とみやこのその後であったり、と。
 いい意味で原作との違いで期待を裏切ってくれたのは蓮治と千尋の3章だろう。アニメでは除かれていたミズキ周りの諸々なども含めて蓮治の成長物語の色が濃く、結末も異なる。正直なところ、私は原作の結末のほうが好みであり、これを見ることができただけでプレイする価値はあったと思う。なんというか、こっちの方がこう、大丈夫だろうなあって感覚が強い。単に蓮治が気取った語りをするのも楽しかった。好きなんですよね、こういうの。

 夕と優子はそれなりに変化はあれどアニメとの大筋は変わらないが、優子の知らないエピソードを見ることができただけで結構嬉しいものであった。久瀬とミズキについては集大成的な意味合いがアニメよりも強く出ていて、ミズキが強く或るだけでこちらも嬉しくなる。これまでのバトンをすべて受け取った上で駆け抜けていくのは輝かしいじゃないですか。

 というわけで、大好きな作品です。アニメ共々に、いつかまた思い出を辿りたいなあ、と。